RISK MANAGER SERVICE
中小零細企業こそ、
リスクマネジメントを
目次 |
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01. リスクマネジメントは保険だけじゃない 02. 意識を高める最善策として 03. 中小零細企業とリスクマネージャー 04. 重要なのはリスクの分散 05. 気持ちのケアも目指す 06. リスクの専門家として提供できる価値 |
01. リスクマネジメントは保険だけじゃない
日本ではまだ多くの人が「リスクマネジメントといえば保険のことだろ?」と思っています。
その理由の一つとして「保険屋さんがそう言っているから」ということもありますが、僕は「多くの日本人は、リスクマネジメントというものについて、あまり深く考えていないから」だと感じています。
2019年に新型コロナウイルスが発生して、多くの会社は売り上げが落ちました。
ところが、その要因をきちんと分析した企業は、実はそんなに多くはありませんでした。
ましてや「もし、このコロナウイルスがものすごく強力なものに変化して、もっと大勢の人が死ぬようなことになった場合、どうなるのか」ということを考えた企業は、コロナ禍で売上の伸びた一部の企業も含め、非常に少なかったと思います。
お客様や出会った企業様に、コロナで売り上げが落ちた要因をよく聞いてみると、「社員が危ないと思い、社員のために会社を休みにしたから」という会社もあれば、「取引先が材料を出してくれなくなったので」という会社、「補助金がもらえるので店舗を休んだから」という会社もありました。
もしあの時の経済的混乱の原因が、コロナではなく津波や台風だったとしても、おそらく売上が減少した直接の原因は、あまり変わらなかっただろうと思います。
事象は何であれ、何らかの原因で売り上げが落ちる、何らかの原因で原材料が入ってこなくなる、などの事態を想定していれば、きっかけが何であろうと選択肢はあまり変わらないのだ、ということが、僕がコロナ禍で学んだことです。
日本以外の国を見ると、とてもうまく対策ができていたな、という印象があります。とにかく経済的な復旧が早かったんですよね。
僕は改めて「リスクマネジメントの意識が、国によってまるで違うんだ」と痛感しました。みんな等しくコロナの被害にあったにも関わらず、対応がまるで違っていたのです。
例えば、アメリカは早い段階でマスクを外していることがテレビで話題になっていました。
あれはなぜかというと、過去のMARSやSARSの経験から、ウイルスの被害やワクチンのこと、罹患した人はその後どういう経緯で平常時に戻といくかという統計的なデータを、国や企業がしっかり見極めて、それに応じてマスクを外しても良いというアクションがうまれ、社会を正常化していったからです。
02. 意識を高める最善策として
一方、日本人はこれまで、自然災害や戦争などの大災難と呼ばれる人為的な大きなトラブルや、ましてや感染症による災害には、近年までほとんどさらされてきませんでした。
第二次世界大戦以降、日本は戦争には巻き込まれていないし、大震災の後も、すぐさま国が復興政策を打ち出して、税金でなんとか助けてくれました。
だから、本質的なリスクマネジメントについて考える機会は、この80年間ほとんどなかったんですよね。そこが、日本人のリスクマネジメントの弱さの原因だと思います。
今回、コロナ禍にあって売上が伸びた企業は、特に学ぶものも少なく、この世界的な貴重な経験を、リスクマネジメントにつなげるきっかけには、ならなかったと感じています。
日本では、災害時に「安全な場所に移動してください」と新聞やテレビで一生懸命言うけれども、「なんで危険な場所に家を建てたんだろう」ということにフォーカスする人は、あまりいません。
ところが外国では、津波に飲まれた人に国からの補助は期待できませんから、「自力でどうにかするしかない」という意識がとても強いのです。
当然ながら、企業は大規模な借金をして危険な場所に資産を持ったりはしません。
同様に、保険がない国や地域、制度が不明瞭で支援や保証がもらえない国に日本の企業が進出したとしても、「よし!海の前や川の横、崖の下に工場を建てよう!」という話にはなりません。
日本人でも、海外に行けば当たり前にできるリスクマネジメントの基本的なことが、日本にいると意識できない。これが現状です。
僕は、『日本人のリスクマネジメントの意識の低さ』につながる最も重要な問題は、「我慢すれば、なんとかなるさ」「耐えれば、なんとかしてもらえるに違いない」という気持ちを、戦後の経験から、みんなが持ち続けてることだと考えています。
自己責任だと見放された経験がない日本人に、海外同様のリスクマネジメントの意識を定着させることは難しいのです。
そこで僕は、リスクサービスというものを通じて、自覚せずにリスクマネジメントができているという仕組みこそが、日本人に非常に向いてるのだと考えました。
つまり「〇〇のサービスを使っていたら、勝手にリスクマネジメントができていました」というサービスを、僕らの会社が提供することが、日本人のリスクマネジメントの意識を高める最善策だと考えたのです。
だったら、最も良い手段として、リスクマネージャーサービスというものを作ればいいじゃないか、と。
03. 中小零細企業とリスクマネージャー
運悪く家を建てる場所の選択をお父さんが間違えました、だと、影響を受けるのはその家族くらいです。
ところがそれが企業では、選択ミスのせいで社員が数百人、小さな会社でも5人10人が路頭に迷う、連鎖倒産するなど、すごく大きな影響が出ます。
企業のリスクマネジメントの失敗というものの波及的な影響は、計り知れません。
だから、一日中「この会社が、こうなった時にはどんなことが起きる、その時どうする」ということを考え続ける人、すなわちリスクマネージャーが社内に必要なのです。
実際に、リスクマネジメントの部署を設けている会社もありますが、そのほとんどは大企業です。大企業は、法務部や財務部、総務部などの専門部署を立ち上げていて、「うちの会社がこうなったら」「取引先がこうなったら」 と考える組織を持ってますが、中小零細企業にはこういう機能がありません。
本来であれば、中小零細企業こそ、「自分の会社に何かがあった時どうなるだろう」と考えたり、調べたり、研究したりするリスクマネージャーを持たないといけないのです。なぜならば、現金に余力がなく破綻というものに最も近い存在だからです。
大きな企業は、 特定の事故やトラブルのせいで会社が飛ぶ、ということは滅多にありません。ところが、小さな会社は、1つの事件や1つのクレームで生産活動ができなくなる、という問題からは逃げられません。
ところが、日本の中小企業には、ここに人件費を割くほどの余裕はありません。
ましてや、こういうことを「じゃあ、君やって」と言って、すぐできるような人材もいないんですよね 。
そこに、僕らのような会社がリスクマネージャーサービスを展開する意義があると考えています。
04. 重要なのはリスクの分散
リスクの一種に、特にポピュラーな『集積リスク』というものがあります。
集積リスクとは、売上を作り出すものが一箇所に集まっていることに起因して大きな損害が生じるリスクのことです。
一般的にリスクは、分散されていればいるほど、顕在化しにくくなります。
例えば、個人事業主だと「一人でやっていることが集積リスク」です。一人のモチベーションが下がったり、主力商品やサービスが一個なくなったり、使えなくなったりしただけで、大損害を受けるんですよね。
企業でも、東京23区にしか出店してない、飲食業態しか経営してない、などは非常に弱いのです。多業種、全国展開、例えば「自動車ディーラーとタクシー会社と飲食店とボウリング場を全国で経営しています」となると、事故や災害や想定外のトラブルに対して強くなっていくわけです。
本来は、このように分散させることで、どんなリスクにも強くなります。でも、こんなことはできないですよね。
特に小さな企業だと、そんないくつも事業を展開することや、たくさん社員を雇うなんてできるわけありません。ここにリスクマネジメントの考え方が必要になってくるのです。
「もし、この商品が売れなくなったらどうしよう」みたいなことを、常に誰かが企業の社員やスタッフのかわりに考える必要があるのです。これが、リスクマネージャーの仕事です。
05. 気持ちのケアも目指す
リスクマネジメントは保険だけではありません。
企業のリスクには、保険に逃がせるものと逃がせないものとに、分けることができます。
保険は、リスクマネジメントの出口の一つに過ぎないのです。
2〜3人でやっているような、とても小さな企業には、モチベーションや感情のリスクマネジメントが必要です。社長やスタッフの気分が乗る・乗らないで、会社の売上が大きく影響を受けてしまうからです。
営業活動や、商品やサービスの提供に、モチベーションの影響が大きいんですよね。
そのリスクの影響は、複数人で活動することで最小化できます。
例えば、営業担当が100人いれば、 中に「今日はモチベーションが低い」という人がいても、売上に直接影響を及ぼすことは、ほとんどありません。一人がミスをしても、他の人がリカバリングしてくれたり、クレームになったら上司が出てきて対応してくれたりします。
これが、人数が少なくて1人や2人でやっていると、誰もそのケツを拭いてくれないし、助けてくれません。
そのため、特定のお客様とトラブルが起きた場合、ましてやそのお客様が上得意様で、売上の40〜50%を占めている企業だったりすると、即会社が潰れてしまったり、事業転換しないといけなくなったりします。
「なんだ、そんなこともリスクマネジメントというのか?」と思われたかもしれません。
でも、感情が経済的な面へ影響することは、中小零細企業にとって大きな問題点です。
僕らの目指しているのは、感情、気持ちさえもケアできる、企業に本当に必要なリスクマネジメントサービスの提供です。
06. リスクの専門家として提供できる価値
日本が戦争に負けて、日本人が向かったのは、教育でした。
誰もが本を読めて、誰もが情報を理解できるようになり、何でも平均的に“ある程度”できる人たちが日本中に現れました。
その結果、人に頼らずに「自分のことは自分でしよう」「誰かに何かを頼むということは恥だ」という文化や、それを受けたサービスが生まれました。
「弁護士を雇わずに自分で裁判をやろう」という人が現れたり、「税理士をつけずに青色申告」みたいな指南書やガイダンスがあったり、「自分一人でホームページ作れます」みたいなサービスができたり。
それには、いい面も悪い面もあります。
なんでも自力ですることの弊害を、企業で日常的に行われている『契約書の作成』を例に挙げてお話しします。
契約書を交わすのにも「何のために契約書を交わすのか」ということを考えずに作成に挑むと、リスクマネジメントにはなりません。「この契約書で後日、裁判をする可能性がある」ということを想定して契約書を交わさないといけないのです。
ところが、取引のための通行証だと思って契約書を交わしてる人がいます。
契約書があったとしても、 お金を払わない人は払わないのです。払われない事象が起きた時にどうやってお金を払わせるのか、というのはもう「その契約書に何が書かれているか」しかないのです。
契約書を完璧に仕上げておけば、弁護士さんに持っていくと、お金を強制的に取り立ててくれるなどの恩恵に預かれます。
けれども、そういうことはあまり吟味せずに、ただ「契約書を用意しました」というだけでは何の効果も威力もありません。すなわち、これはリスクマネジメントではないということです。
「専門家に任せる」ことで、高いクオリティを保ちながら、本業に専念することができます。
ここに、専門家を入れる価値があるのです。